2023年10月1日に労働安全衛生規則改正が行われ、最大積載量が2t以上のトラックは昇降設備の設置が義務となりました。 法改正にともなって昇降設備を探している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、トラック昇降設備の設置義務についての内容や改正にいたった背景を解説します。 また、昇降設備を選ぶ際のポイントやおすすめの製品についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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2023年10月1日に行われた労働安全衛生規則改正により、最大積載量が2tを超えるトラックは、昇降設備設置が必要になりました。 ここでは、労働安全衛星規則の改正内容と改正にいたった背景について解説します。
荷物の積み降ろしの際、高さ1.5mを超える場所で作業を行う場合、貨物自動車で最大積載量が5t以上だと昇降設備の設置義務があります。
しかし、この度の改正により、2t以上5t未満の場合も荷役作業時の昇降設備の設置義務が追加されました。 昇降設備には、貨物自動車に設けられている昇降するためのステップ以外にも、荷役作業時に備え付けられ、持ち運んで使用できるタイプも含まれます。 また、昇降用ステップは、作業員の墜落・転落を防止するために、両手・両足の4点のうち3点で身体が支えられるよう乗降グリップを取り付け、安全を確保することが推奨されています。
なお、昇降設備が必要なのは「床面と荷台との間」および「床面と荷の上との間」です。 違反した場合は、労働安全衛生法 第21条違反となり、50万円以下の罰金または6か月以下の懲役が科せられる可能性があります。
労働安全衛生規則が改正された背景には、墜落・転落災害が死傷災害のなかで最も多いことが挙げられます。 トラック運送事業の労働災害の7割は荷役作業中に起きており、そのうちの4割がトラックの荷台への昇降時に発生しているのが現状です。 なかでも、最大積載量2トン以上のトラックでの災害が9割を占め、側面が開放できる平ボディやウイング車での災害が多くなっています。
そのような背景から、厚生労働省は労働災害を防止・減少させるために、安全対策に対する取り組みを始めました。
引用元:労働安全衛生規則の一部を改正する省令案等の概要 (陸上貨物運送事業関係)
トラックの昇降設備を選ぶ際は、安全に昇降ができるように、手すりが付いているものや踏板に両足が置ける奥行きがあるものにするとよいでしょう。 また、昇降用ステップは、両手・両足の4点のうち3点で身体が支えられるよう、昇降グリップを取り付けることが大切です。
踏面の表面が滑り止め加工してあり、地面から踏面、または段差ごとの高さが50cm以内のものを選ぶ必要があります。
なお、後付けの車両取付型の場合は、リア・サイド・あおりなどが車体側面から突出して、少なくとも1ヵ所以上設置しましょう。 貨物自動車に取り付けられているステップが荷台から見えない場合は、転落や墜落する危険性が高くなります。 そのため、上部から見て足裏半分以上の長さが確認できる踏面が1段以上あるものを選ぶことも重要です。
トラック昇降設備にはさまざまなタイプがありますが、荷台への昇降や荷物の積みおろし作業におすすめなものは下記の2つです。
株式会社大同機械で取り扱っている2製品の特徴や仕様について解説します。
トラック昇降ステップは、あおりに設置して荷台への昇降をサポートする製品で、トラックの荷積みや荷下ろし作業に最適です。 あおりを上げた状態、下ろした状態のどちらでも取り付けでき、脚の長さは25mmピッチで調整できます。また、高さ調整やトラックへの設置も、工具を一切使用せずに可能です。
製品仕様は以下の通りです。
型式 | 天板寸法 (mm) | 天板高さ(mm) | 踏みざん(mm) | 段数 | 設置寸法(mm) | 収納寸法(mm) | 許容荷重(kgf) | 自重(kg) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
幅 | 奥行 | 間隔 | 幅 | 幅 | 奥行 | 幅 | 奥行 | 厚み | |||||
DXB-12 | 500 | 341 | 845~1300 | 264 | 45 | 4 | 717~820 | 627~737 | 761 | 938 | 172 | 150 | 8.0 |
DXB-14 | 500 | 341 | 1000~1460 | 302 | 45 | 4 | 745~861 | 657~779 | 790 | 1055 | 175 | 150 | 9.5 |
DXB-18 | 500 | 341 | 1450~1910 | 264 | 45 | 5 | 858~974 | 776~898 | 860 | 1515 | 175 | 150 | 10.8 |
なお、作業台は転倒・転落のリスクがあるため、使用方法を遵守し、安定した状態を確認して使用してください。 とくに、昇降面の左右方向への転倒が多いため、注意しましょう。
具体的な製品仕様は、以下の通りです。
形式 | 天板高さ(mm) | 天板寸法(mm) | 踏ざん幅(mm) | 設置寸法(mm) | 収納寸法(mm) | 自重(kg) | 許容荷重(kN/kgf) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
幅 | 長さ | 幅 | 長さ | 高さ | 幅 | 長さ | 厚み | |||||
DAD-120 | 1200 | 500 | 520 | 106 | 750 | 1320 | 2100 | 750 | 1700 | 320 | 14.8 | 1.2/120 |
2023年10月1日の労働安全衛生規則の一部改正により、最大積載量が2t以上のトラックは昇降設備を設置しなければなりません。
昇降設備には、貨物自動車に取り付けられている昇降用のステップのほかに、踏み台などの可搬式タイプも含まれます。 また、昇降設備を選ぶ際は、手すりが付いているものや踏板に両足が置ける奥行きがあるものを選びましょう。
昇降用ステップは、作業員の墜落・転落を防止するために、両手・両足の4点のうち3点で身体が支える乗降グリップを取り付け、安全を確保するように推奨されています。
なお、本記事でご紹介したおすすめのトラック昇降設備の詳細をご覧になりたい方は「株式会社大同機械」まで気軽にお問い合わせください。