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リスクアセスメントとは?建設業での進め方や注意点を解説

2024.09.05
riskの画像
建設業は日常的に様々な危険が伴う業種であり、労働者の安全を確保するためには、リスクアセスメントが欠かせません。

この記事では、リスクアセスメントに関する基礎的な情報をはじめ、建設業におけるリスクアセスメントの進め方や具体的な注意点について詳しく解説します。リスクアセスメントを効果的に実施し、現場の安全性を向上させるためのポイントを学びましょう。
 

リスクアセスメントとは?

職場での潜在的な危険やリスクを事前に特定し、それらが引き起こす可能性のある事故や健康被害を評価し、そのリスクを低減または排除するための対策を計画・実施することを指します。

リスクアセスメントは、労働者の安全と健康を守るための重要な手段であり、労働災害の予防に大きく貢献します。また、企業のコンプライアンス遵守や生産性向上にも繋がります。 特に建設業などの様々な危険が伴う職場では、リスクアセスメントの実施が不可欠です。効果的な対策を講じることで、事故の発生を未然に防ぎ、安全で健康的な作業環境を維持することが求められます。
 

建設業でのリスクアセスメントの重要性

建設現場
建設現場は高所作業や重機の使用、危険な作業環境など、多くのリスク要因が存在します。それらのリスクを事前に特定し、評価し、対策を講じることで、労働災害の発生を未然に防ぐことができます。 リスクアセスメントを行わない場合、労働災害のリスクが高まり、重大な事故が発生する可能性があります。それにより、労働者の健康や命が危険にさらされるだけでなく、企業にとっても大きな損失となります。

事故が発生すると、法的な責任を問われるだけでなく、企業の信頼も失われる恐れがあります。また、労働者の士気が低下し、離職率の上昇にもつながります。
 

【建設業】リスクアセスメントの進め方・注意点

チャックリスト
建設業におけるリスクアセスメントの具体的な進め方や注意点を解説します。
 

1. 事前準備

リスクアセスメントを導入する際、まず事業場のトップがその意図を明確に表明し、全体の取り組みを指揮することが重要です。トップがリーダーシップを発揮し、リスクアセスメントの重要性を全従業員に認識させることで、組織全体が一体となって取り組む基盤が作られます。

その上で、安全衛生リーダーを選任し、リスクアセスメントの進め方を定めたマニュアルを作成します。そのマニュアルには、リスクの特定方法、評価基準、低減措置の具体例などを含め、現場での実施を円滑に進めるための指針とします。
 

2. 危険性または有害性の特定

作業計画や手順書を用意し、作業を区分けして、それぞれの作業単位について危険性や有害性を特定します。

  • 対象作業を細分化して、それぞれの作業単位に適当な作業名を決定する
  • 日常の作業とは異なる視点で危険がないかを観察する
  • 実際に起こった災害を考慮し、機械や設備が故障する前提で観察する

対象作業を区分けし、各作業単位に適切な作業名を付けることが重要です。日常の作業とは異なる視点で危険がないかを観察し、潜在的なリスクを洗い出します。その際、過去に実際に発生した災害を考慮し、機械や設備が故障することを前提に観察することが求められます。

特に、作業中に予期せぬトラブルが発生する可能性を念頭に置き、万が一の状況をシミュレーションすると効果的です。
また、機械や設備の故障、作業手順のミスなどがどのようなリスクを引き起こすかを具体的に想定し、それに対する対策を考える必要があります。
 

3. リスクの見積り

特定した危険性または有害性について、リスクの大きさを見積ります。それには複数の人が関与し、以下の点に留意します。

  • 現在の作業実態や安全対策を考慮する
  • 災害の事象と負傷・疾病の重篤度を想定する
  • 接触頻度や災害発生の可能性を評価する
  • メンバー間で意見を調整し、総意としてリスクを見積る

現在の作業実態や既存の安全対策を考慮することで、現状のリスクを正確に把握することができます。

また災害の発生事象を具体的に想定し、負傷や疾病の重篤度を評価します。それは、災害が発生した場合の影響の大きさを見積もるために重要です。

さらに、危険性に接触する頻度や災害発生の可能性を評価します。それには、作業者がどの程度その危険に晒されるかを分析することが含まれます。

そしてメンバー間で意見を調整し、総意としてリスクを見積もります。それにより、多角的な視点からリスクを評価し、最も現実的なリスク評価が得られます。
 

4. リスク低減措置の検討と実施

見積ったリスクに基づき、リスク低減措置を検討します。安全衛生対策の優先順位に従って、以下の順で対策を講じます。
 
  1. 危険作業の廃止や変更、低リスク材料への変更など
  2. 機械や設備の防護対策、手すりや囲いの設置など
  3. 教育訓練や作業管理などの管理的対策
  4. 保護手袋や安全帯などの個人用保護具の使用

第一に、危険作業の廃止や変更、低リスク材料への変更を検討します。それにより、根本的に危険性を除去または低減することを目指します。
次に、機械や設備の防護対策として、手すりや囲いの設置、保護柵の導入などを行います。それらの設備的対策は、労働者が危険に接触する可能性を物理的に減らします。

さらに、教育訓練や作業管理などの管理的対策を実施します。安全教育の徹底や作業手順の見直し、二人作業の導入などが含まれます。

管理的対策は、労働者が安全に作業を行うための知識と手順を提供します。最後に、保護手袋や安全帯などの個人用保護具の使用を推奨します。個人用保護具は、労働者が危険にさらされた場合にその影響を最小限に抑えるための最後の防御手段です。
 

5. リスクアセスメントの記録と見直し

リスクアセスメントの結果と実施した低減措置を記録し、ノウハウを蓄積します。また、実施後のリスク低減効果を評価し、次年度の安全衛生計画に反映させるための見直しを行います。
リスクアセスメントの結果と実施した低減措置は、詳細に記録し、それをノウハウとして蓄積することが重要です。

記録には、特定した危険性や有害性、見積もったリスクの大きさ、実施した低減措置、その措置の効果などが含まれます。そのデータは、将来的な災害防止策の計画や実施の際に非常に有用です。
 

6. 継続的な実施

リスクアセスメントは、一度実施して終わりではなく、継続的に行うことが重要です。特定の現場や作業グループから始め、順次他の現場にも広げていきます。現場の責任者やリーダーが中心となり、常に改善を図りながらリスクアセスメントを進めていきます。

これらの手順を踏むことで、建設現場の安全性を向上させ、労働災害のリスクを効果的に低減させることが可能となります。

参考:建設業におけるリスクアセスメントの進め方 | 厚生労働省
 

建設業でリスクアセスメントは大切

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リスクアセスメントは、職場における潜在的な危険やリスクを事前に特定し、それらを低減するための対策を講じるプロセスです。建設業では、作業環境や手順を細かく分析し、危険性を評価・見積り、適切な対策を実施することが不可欠です。
その取り組みは、労働者の安全を確保し、事故を未然に防ぐために非常に重要です。リスクアセスメントの結果は記録し、継続的に見直しを行うことで、より安全な作業環境が維持されます。


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