ページの先頭へ
TOP > コラム > 【工場】ヒヤリハットの事例と原因・対策を解説

【工場】ヒヤリハットの事例と原因・対策を解説

2024.11.25
【工場】ヒヤリハットの事例と原因・対策を解説
工場では、日々の作業の中で「ヒヤリ」とする瞬間や「ハッ」とする出来事、いわゆる「ヒヤリハット」が多く発生します。
それらは、実際の事故には至らなかったものの、潜在的なリスクを示す重要なサインです。
 
ヒヤリハットを見逃さず、原因を追求し適切な対策を講じることで、重大な事故やトラブルを未然に防ぐことができます。
 
今回は、工場における具体的なヒヤリハットの事例とその原因、そして効果的な対策について解説していきます。現場の安全を高めるために、ぜひ参考にしてください。
 

工場でのヒヤリハット活動の重要性


ハインリッヒの法則によれば、1件の重大な事故の背景には29件の軽微な事故があり、そのさらに背後には300件のヒヤリハットが存在するとされています。
 
つまり、ヒヤリハットをいかに減らすかが、事故を防ぐ鍵となるのです。
現場の小さな「ヒヤリ」とする瞬間を見逃さずに対処することで、重大な事故のリスクを大幅に減らすことができます。
 
工場などの現場でのヒヤリハット事例を積極的に収集し、原因を追究し対策を取ることは、労働者の安全を守り、生産効率を高めるために欠かせない取り組みです。全員で共有することで事故防止の意識が現場全体に浸透し、安全な作業環境を維持することができます。
 

工場でのヒヤリハットの事例と原因・対策

工場でのヒヤリハットの事例と原因・対策
ここでは、工場でのヒヤリハットの事例とその原因・対策を紹介します。
 

事例①

同僚と鉄板を運搬中、足がもつれ転倒しそうになった
 
どちらの作業者も鉄板を持っていたため、足元が見えにくくなっていたことが原因でした。
前向きに運搬していた作業者が後ろ向きに運搬していた作業者に対して、十分な目配りや声掛けを行っていなかったため、連携不足により、転倒のリスクを高める結果となりました。 【対策】 足元が見えにくくなるような大きさの物を運ぶ際には、できるだけ台車などの運搬用具を使用し、安全に運搬することが推奨されます。それにより、作業者の足元が確保され、転倒のリスクを大幅に減らすことができます。
 
また、複数の作業者が同時に運搬する場合には、互いに十分な目配りと声掛けを行い、連携を強化することで、より安全な運搬を実現できます。
 
作業中の足元の滑りやすさを防ぐために、安全靴を着用するのも転倒のリスクを低減するための有効な手段です。
滑りにくい靴底の安全靴を使用することで、不意の転倒を防ぎ、安心して作業を行うことができます。
 

事例②

工場内の斜路で段ボールを運搬中によろめいた
 
作業靴の底がすり減っていたことがよろめきの一因となりました。すり減った靴底は滑りやすく、斜路のような不安定な場所では大きなリスクとなります。また、斜路が約12度と急であったことも影響しており、斜路が湿っていたため、運搬中に滑りやすくなっていたことも、よろめきの原因です。
 
【対策】 作業靴は定期的に点検し、靴底がすり減っている場合は早めに交換する必要があります。
それにより、作業中に滑ることを防ぎ、安全な運搬が可能になります。
 
また、斜路にゴムマットなどの滑り止めを設置することで、足元の安全を確保し、運搬時の転倒リスクを低減することができます。斜路が急である場合は、湿気や水分の管理にも注意し、常に安全な状態を維持することが求められます。
 

事例③

荷上げする作業の際に落ちそうになった
 
フォークリフトを使って工場内の中2階にダンボール箱を荷上げしていた際に、発生した事例です。
作業者がフォークリフトのパレット上に足を入れていたため、危険な状態で作業を行っていました。
 
また、フォークリフトのフォークが中2階の作業床に十分に差し込まれていなかったため、荷物が安定せず、落ちそうになるリスクが高まっていました。
 
【対策】 フォークリフトを使った荷の積み込みや積み卸しの際は、フォークをしっかりと作業床に差し込み、安全な場所で行うのが基本です。それにより、荷物が安定し、落下のリスクを低減することができます。
 
高所での作業では、安全帯を適切に使用することも推奨されます。それにより、作業者の安全を確保し、万が一の転落を防ぐことが可能です。
 
中2階などの作業場所に、手すりやガードレールを設置することで、作業者が不意に足を滑らせたり、荷物が落ちたりすることを防ぐことができます。それらの対策を徹底することで、安全な作業環境を確保し、事故の発生を防ぐことができます。
 

事例④

鉄板がシャックルから外れた
 
床材に使用されるH鋼に取り付けられた鉄板の塗装作業中、一面の塗装が終わり、裏面を塗装するために床上操作式3tクレーンを使ってH鋼を裏返そうとした際、鉄板がシャックルから外れるというヒヤリハット事例です。
 
シャックルの取り付け方法や締め付けが不十分だったことが原因の一つと考えられます。
また、クレーン操作時に鉄板にかかる力の方向が適切ではなく、負荷がかかったためにシャックルが外れた可能性があります。
 
【対策】 シャックルの適切な取り付け方法の周知に加え、鉄板の重量に対して十分な耐荷重を持つ適切な器具を使用し、使用前にはシャックルやワイヤーの状態を確認することも重要です。
 
クレーン操作時には荷にかかる力の方向を常に意識し、バランスを保ちながら作業を進めることが求められます。
 

事例⑤

台車で運搬中作業員と衝突し転倒した
 
焼き菓子(ビスケット)工場で、自動焼き機のコンベヤーから落下した型落ち品を回収し、滑りやすい床で台車を使って小走りで運搬していた際、焼き機の柱の角から急に出てきた作業員と衝突し、共に滑って転倒するというヒヤリハット事例。
 
工場の自動焼き機周辺の通路床面に、加熱により気化したバターや食用油が冷えて付着し、床が非常に滑りやすくなっていたことが大きな要因として挙げられます。また、台車のブレーキが効きにくい状態であったことも、事故の一因となりました。
 
【対策】 作業エリアの床面が滑りやすくなっている場合、定期的に清掃を行い、バターや食用油の付着を防ぐ必要があります。
自動焼き機周辺は加熱により油分が床に蓄積しやすい場所のため、作業中に頻繁に清掃を行うか、床材に滑り止めの効果があるコーティングやマットを敷くといった対策が有効です。
 
また、台車のメンテナンスを定期的に行い、ブレーキが効きにくい状態を防ぐことが求められます。
作業員同士が通路で作業を行う際は、見通しの悪い角での衝突を防ぐため、十分な注意を払い、声掛けや周囲の確認を徹底することも重要です。
 
参考:労働災害事例
 

現場の安全対策におすすめの製品


株式会社大同機械では、現場での安全をサポートするための多様な製品を取り扱っています。
 
例えば、段差のある場所にパーツを組み合わせて設置し、様々な高さの段差を解消できる仮設スロープ「積み積みスロープ」や、建築現場で梯子を使用する際の墜落事故を防止するために設計されたベルト巻取り式の墜落制止用器具「ベルブロック」などもあります。
 
作業後にコンパクトに折りたためる「ライトステップ」は、収納時も場所を取らずに保管できる折りたたみ式作業台として人気です。
 
他にも現場での安全対策向けの製品を数多く扱っておりますので、ご興味がございましたらぜひ以下のページでご確認ください。
 
その他、安全関係の製品はこちら
 

工場でのヒヤリハットについて


工場で発生するヒヤリハットは、事故につながる前の重要なサインです。
それらの事例を見逃さず、原因を追究し、適切な対策を講じることで、重大な事故を未然に防ぐことが可能です。
 
今回は、具体的なヒヤリハット事例とその原因を解説し、対策としての作業環境の改善や適切な器具の使用、作業員同士のコミュニケーションの重要性を紹介しました。ヒヤリハットを積極的に活かし、安全な作業環境を維持していくことが、工場での事故防止に繋がります。
コラム一覧へ戻る