馬にとっても人間と同様に暑熱対策が重要とされていますが、馬は人間や他の動物と比べて暑さに弱いのでしょうか。
今回は、馬の暑さ耐性について種類による違いも含めて解説し、熱中症や夏バテを起こさないようにするための対策についても解説していきます。
馬は暑さに弱い?
馬は暑さに弱い動物です。その理由は、馬が体温を調整する方法にあります。
馬の汗腺は「アポクリン腺」と呼ばれ、人間の「エクリン腺」とは異なります。
アポクリン腺は、運動や興奮時に反応して汗を分泌しますが、気温の上昇に対しては十分に機能しないので、運動をしていない状態では汗をかきづらいのです。
また、馬の汗は泡立つ性質を持っているため、発汗による冷却効果も限られています。加えて、馬は人間に比べると筋肉質なので、運動時に体内で熱の燃焼が続き十分に冷却できず体温調整が困難になります。
馬の暑さの耐性は種類によって違う?
馬の暑さへの耐性は、馬の種類や生まれ育った環境によって異なります。
たとえば、暑い地域を原産とするアラブ種は、比較的暑さに強いと言われています。一方で、寒冷地で育った馬は厚さに弱い傾向があります。ただし、数年かけて徐々に環境に適応することは可能です。
環境要因以外でも差が出ます。たとえば、牡馬よりも牝馬のほうが暑さに強い傾向があり、競馬の格言で「夏は牝馬を狙え」とも言われるほどです。
しかし、これらはあくまで一般論であり、人間と同様に馬も体質や個性によって耐性が異なるので、個々の馬の状態を適切に観察することが大切です。
馬の熱中症・夏バテの症状
ここからは、馬が熱中症になったときや、夏バテに陥ったときの代表的な症状について解説していきます。
熱中症
馬の熱中症の症状として代表的なのは、以下5つです。
- 体温の上昇:馬の体温は通常38度前後であり、それ以上になっている場合。
- 心拍数の増加:平常時よりも心拍数が上がっている場合。
- 発汗異常:汗の量が通常よりも増加している場合。
- 無気力:やる気がなく無気力な状態が続いている場合。
- 呼吸の異常:暑さによって体に異常を感じ、息遣いが通常よりも荒くなっている場合。
- 口や舌の変色:口や舌が赤く変色している場合。
これらの症状は、いずれも熱中症の可能性を示唆しているので、見逃すと重篤な状態に至るかもしれません。
夏バテ
馬の夏バテの症状として代表的なのは、以下4つです。
- 食欲不振:暑さで消化機能が低下しているサイン。
- 目の周りの変色:疲労や栄養不足が原因で目の周りが黒ずんで見える場合。
- 発汗異常:体温調節機能に異常が生じて、暑くても汗をかかなかったり、逆に異常に多く汗をかいている場合。
- 呼吸の異常:高温で酸素供給が追いつかなくなることにより、普段より息が荒くなったり、軽い運動でも息切れしやすくなっている場合。
- 運動能力の低下:わずかな運動でも疲れやすくなっている場合。
これらの症状は、いずれも馬が暑さによって大きなストレスを受けていることを示しています。
馬の暑さ対策
夏場の馬の暑さ対策として、以下6つが挙げられます。
- 水分補給
- 塩分・ミネラルの補給
- 運動量の調整
- 水浴び等での体の冷却
- 暑熱順化
- 厩舎の環境・空調の調整
それぞれ詳細を解説していきます。
水分補給
馬の暑さ対策において、水分補給は最も基本的かつ重要な対策です。高温環境下では、汗によって大量の水分を失うからです。水分補給の方法として、自動給水器によって新鮮な水を提供することが挙げられます。また、夏バテの状態を感じた場合は、バケツによる手動での水分補給も効果的です。
塩分・ミネラルの補給
馬は人間と同様に汗を通じて大量の電解質を失います。そのため、塩分やミネラルの補給も重要となります。たとえば、厩舎内に鉱塩ブロックを設置し、馬が自由に舐めて塩分を補給できるようにしてもよいでしょう。これにより、ナトリウム、カリウム、塩化物など、馬にとって重要なミネラルを補えます。
運動量の調整
運動量の調整も重要です。暑い日は運動量を減らすことで、馬の熱中症リスクを減らせるからです。また、運動量を減らせない場合は、日中の暑い時間帯を避けて、早朝や夕方などの比較的涼しい時間帯に運動させることも有効です。
水浴び等での体の冷却
馬の体を冷やすのも有効です。馬に水浴びをさせることにより、短時間のうちに正常な体温まで下げられます。冷却ジェルや冷却マットなどの暑さ対策用のグッズを活用するのもよいでしょう。
暑熱順化
体を徐々に高温環境に適応させる暑熱順化のプロセスを経ることで、馬の熱中症リスクを低減できます。人間の熱中症対策において暑熱順化は有効な対策とされていますが、馬への適用も研究されています。段階的に高温環境に露出させ、運動量を調整することで、熱中症リスクを大幅に軽減できるのです。
厩舎の環境・空調の調整
厩舎の温度・湿度の管理も有効です。たとえば、扇風機やシャワーミストを用いることで、厩舎内の気温を下げられます。エアコンを導入すると、さらに高い効果が期待できます。エアコンには温度を調整する機能だけでなく、熱中症リスクにも関わる湿度を調整する機能があるからです。
暑さ対策で厩舎の温度管理をするなら
ここからは、厩舎の暑さ対策ができる製品をご紹介していきます。
業務用スポットエアコン「冷暖砲白サイくん」
「
冷暖砲白サイくん」は、ピンポイントで大風量を送れる業務用スポットエアコンです。狙ったところにピンポイントで冷風を届けられるので、厩舎の中でも特に対策をしたい場所だけにエアコンの効果を及ぼせます。
特徴
「冷暖砲白サイくん」には、以下の特徴があります。
20m先まで届く大風量:最大130m2/minの風を放出可能で、1m/sの風を20m先まで届けられるので、広い厩舎であっても効率的に冷やせます。一般的なエアコンに比べて少ない台数で対応できるので、設置にかかる初期費用やランニングコストを削減可能です。
取付・設置が簡単:本体がコンパクトで手軽に移動できるので、一般的なエアコンのように取付の手間がかかりません。また、電気も三相200V(30A)のコンセントに接続するだけでよいので、超強力エアコンでありながら通常のスポットクーラーのように気軽に使えます。
製品詳細
型式 |
標準型 |
回転型 |
室内機型式 |
SU-E280 |
室外機型式 |
DSAC-SU280 |
寸法(㎜) |
室内機 |
W1690×D780×H1890 |
W1698×D784×H1890(使用時)
W1482×D784×H1890(収納時) |
室外機 |
W1230×D793×H1890 |
W1230×D793×H1890 |
自重(kg) |
426(室内機:186 / 室外機240) |
438(室内機:198 / 室外機240) |
電源(V) |
三相200( 50Hz/60Hz) |
電源コード長さ |
10m |
冷媒 |
R32 |
定格最大能力(kW) |
冷房 |
28.0 |
暖房 |
32.3 |
定格消費電力(kW) |
冷房 |
8.24 |
暖房 |
7.29 |
最大運転電流(A) |
43.2 50A漏電ブレーカー付 |
使用温度範囲(℃) |
冷房 |
湿球温度:15〜23 |
暖房 |
乾球温度:17〜28 |
コンセント形状 |
30A引っ掛け |
冷暖砲白サイくんの製品詳細・お問い合わせはこちら
冷暖砲白サイくん以外の温度管理用製品として、以下3つがあります。
- 強力スポットエアコン「スポットバズーカ」
- 細冷ミストポンプユニット「ミストポンプ」
- 工場扇
それぞれ詳細に解説していきます。
強力スポットエアコン「スポットバズーカ」
「
スポットバズーカ」は、バズーカ級の「爽快爆風」を生み出すスポットエアコンです。
- 狙ったところに爆風が届く
- 操作が簡単
- 室外機一体型で設置も簡単
- ダクト接続で効率冷却が可能
スポットバズーカの製品詳細・お問い合わせはこちら
細冷ミストポンプユニット「ミストポンプ」
「
ミストポンプ」は、ミストを発生させる装置で、送風機と組み合わせることで冷却ミストを空間に広く散布できるようになります。
- ミストで快適な空間を実現
- 長時間の連続噴霧が可能
- 自動停止機能あり
- 移動がラクラク
- サービスコンセント付
ミストポンプの製品詳細・お問い合わせはこちら
工場扇
「
工場扇」は、工場や倉庫などの広い場所で使われる大型扇風機です。
- 三段階で風量調節
- 首振り機能あり
- 安全配慮されたモーター
工場扇の製品詳細・お問い合わせはこちら
馬は暑さに弱いため対策が必要
人間だけでなく、暑さに弱い馬にとっても熱中症対策・暑さ対策は必須となってきます。そのために有効となるのが、厩舎の温度管理ができる空調機器の導入です。
しかし、適切な暑さ対策ができる空調機器を導入するためには、専門的な知識も必要です。たとえば、空調機器の設置場所やダクトの配置には豊富な経験や知見が必要となります。
「
株式会社大同機械」では、厩舎の暑さ対策に最適な製品を幅広く取り扱っており、馬の健康と快適性を考慮した最良のソリューションを提供可能です。
暑さに弱い馬のための暑さ対策に最適な機器をお探しの方は、株式会社大同機械までぜひご相談ください。