建設現場の準備工事において、荷役作業は欠かせない工程の1つです。 しかし、荷役作業では数多くの事故事例が報告されていることから、安全面に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、荷役作業での事故の発生状況や推移、実際の事例、安全対策について解説しています。 荷役作業の事故事例や、安全対策について知りたい方には有益な内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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荷役作業における事故の発生状況は、厚生労働省の「労働災害発生状況」に記載されています。
このデータによると、令和4年における陸上貨物運送事業の労働災害発生状況は、死亡者数が90人、休業4日以上の死傷者数が16,580人です。 このうち、死傷災害については荷役作業時の発生が全体の約7割を占めている状況となっています。
陸上貨物運送事業の死傷災害は製造業に次いで第2位と多く、このうち約7割が荷役作業に起因するものであることから、荷役作業中の事故は非常に多いといえるでしょう。 ちなみに、陸上貨物運送事業の労働災害の推移については、死亡災害は近年減少傾向にあるものの、死傷災害は長期的に横ばい傾向にあり、依然として多い状況が続いています。
参考資料: 令和4年 労働災害発生状況 第14次労働災害防止計画
荷役作業での事故の発生状況は先述した通りですが、実態を把握するうえでは実際の事例を知っておくことも大切です。 以下では、特に事故が起こりやすい、荷の積み卸し、荷締め、荷のシート掛け・シート外し作業について、それぞれの事故事例を挙げています。
【実際の事例】
被災者はトラック運転席の屋根上にて、伐採木の積み込み作業の指示を作業員に行っていた。しかし、荷台から伐採木がはみ出ていたため、はみ出た伐採木を除去しようと荷台上の端近くを移動中、荷台から転落。この際、被災者は保護帽を被っていなかった。
【考えられる原因】
この事例で考えられる事故の発生原因は、以下の3つです。
【実際の事例】
被災者は荷締め機を使い、10tトラックの荷台に積まれた建築用木材を固定していた。しかし、作業中に荷締め機から手が滑り、反動で約3m下の歩道に墜落し死亡した。
【考えられる原因】
この事例で考えられる事故の発生原因は、以下の2つです。
【実際の事例】
被災者はトラックから積荷を卸すため、円筒形の積荷上でシート掛け作業をしていたところ、積荷の端から2.6m下のアスファルト塗装面に墜落した。この際、被災者は保護帽を被っていなかった。
【考えられる原因】
この事例で考えられる事故の発生原因は、以下の3つです。
参考資料:荷役作業時における墜落・転落災害防止のための安全マニュアル
荷役作業を安全に行ううえでは、事故を未然に防ぐための対策を講じておくことが大切です。
以下では、荷の積み卸し、荷締め、荷のシート掛け・シート外し作業のそれぞれについて、先ほどの事例をもとに実施可能な安全対策をご紹介します。
荷の積み卸し作業を行う際には、安全対策として以下のポイントを押さえましょう。
荷の積み卸し作業では無意識に積荷の上を移動しがちなので、移動時には一旦地面に降りるよう意識することが大切です。
荷締め作業を行う際には、安全対策として以下のポイントを押さえましょう。
荷締め作業はできる限り積荷の横で行うようにし、荷締め機の機能などは作業前に点検しておくことが大切です。
荷のシート掛け・シート外し作業を行う際には、安全対策として以下のポイントを押さえましょう。
荷のシート掛け・シート外し作業では、足元の安全を確保するために、積荷の形状を事前に確認しておくことが大切です。
建設現場の準備工事において、荷物を運搬する際には荷役作業が欠かせません。 しかし、荷役作業ではトラックやフォークリフトなどで事故が多数発生しており、近年でもその発生状況は横ばい傾向にあることから、しっかりと安全対策を講じることが大切です。
ちなみに、株式会社大同機械では、荷役作業の際に役立つ「トラック昇降ステップ」と「ライトステップ」を取り扱っています。
トラック昇降ステップはトラックの荷台への昇降をサポートする梯子であり、あおりを上げた状態、下げた状態のどちらでも取り付けられます。 一方、ライトステップは折りたたみ機能の付いた脚立であり、収納時には場所をとらずに保管が可能です。 どちらも荷役作業の安全対策に役立つ製品となっていますので、詳細をご覧になりたい方は「株式会社大同機械」まで気軽にお問い合わせください!